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03/10/2006

ガンバ大阪−全北現代モータース●2−3

ACL一次リーグ第一節@アウェイ、現地。

人間は機械ではない。なので、時々ミスをするのは仕方がない。だが、そのミスがどうしても出て欲しくないときに出てしまうようなことはあるわけで、そういうときに見ている側がイライラするのもやっぱり人間だから仕方ないよなあ、とつくづく考えた全州の夜。

実は、試合の結果以外の部分では最高に楽しい遠征だったのだが、試合のことを知りたいと仰る方のほうが多いだろうと思うので、そちらのほうを先に書きます(ていうか、これを書いている時点でココログがダウンしているので、直り次第アップするということですけど)。


さて、詳しい話をする前に一言断っておくと、全北には絶対にボールを奪われない重戦車FWも、鬼のようにプレスをかけてくるボランチも、何をやっても撥ね返す身長2mのDFもいなかった。やっていたのは普通のサッカーで、訳のわからない「アジアの壁」などではない。僕の印象では、全北の実力は川崎フロンターレよりちょっと落ちるくらい。Jリーグでは中位クラスより下に位置するように見受けられた。環境も普通、というかむしろアウェイ有利。それだけに負けたのが余計口惜しいのだが・・・。

[試合前]
昔の城門を模したとおぼしきデザインの全州料金所をマイクロバスが通過すると、右手の田園風景のなかに巨大な吊屋根構造がみえてくる。「お、あれじゃない?」「周りに何もないところは鹿島スタジアムみたいだ!」「ワールドカップスタジアムってのはどこもこうなのか?」とひとしきり盛り上がる。

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全州IC。通り過ぎてから見たところ。
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スタジアム遠景

無駄に広い駐車場でバスを降りてみると、これが本当にいいスタジアムだということがわかる。ただ、周りには感心するくらいなにもない。お客さんもいなくて、全体にがらんとしている。チケットは万博と似た感じの小屋みたいなところで売っていて、ゴール裏で5000ウォン(500円くらい)。中に入ると、天皇杯のときの神戸ウイングのような閑散感が漂っている。

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スタンドに出るとピッチが近い。乱入防止用の壕が本格的。アウェイ側には弾幕が張ってあるが、いるのは2人。まあ、平日の5時だから、留守番だけ置いてるのかもしれないけどさ。ガンバサイドはオフィシャルツアーの14人に加えて、我々のような個人参加者が三々五々あつまって30人くらいに。試合開始前には60人ほどになった。その中には、韓国人のガンバファン3人も含まれている(でも、なぜかリーダー格の男性はピンクの服。「次から気をつけろ」と、ある人に説教されてた)。

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ホーム側。よく見ると5人いる!

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ガンバ側、2階の幕。1階のは撮影できず。残念(クリックでちょっと拡大)

いつものことだが、キックオフ前は時間があっという間にたつ。弾幕張りを手伝い、MGを配布し、オフィシャルツアーで余った弁当を試食し(僕も辛くて食べられなかった)、と動いているうちにビジョンではここで行われたワールドカップのゲームのビデオが流され(マルディーニ父が懐かしい)、スタジアムが少しだけ活気付いてきた。客入りも誰もいない状態から「閑散としている」状態へと大幅アップw。選手の練習を見ているうちに、誰かが審判がFIFA印のウェアでアップしていることを指摘する。派遣されてきたオーストラリア人の主審だということ。なるほど(でも、オーストラリアってそんなにレベル高いんだっけ?)。ゲーフラを上げたりしているうちに、スタメン紹介へ。アナウンスは全部韓国向けオンリー。もちろん、全北の選手のことは全然わからない(でもちゃんとブーイングはした)。が、ガンバの紹介でも変なことが。あの、ちょっと待ってください。「2番 デ・ソウザ」ってのは何のことですか?「9番、デ・アラウージョ」ってのは誰ですか?…だれですかー?

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ビジョンに見入るガンバ大江戸の面々。強そうだ。

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ためし振りするBNAのH氏。構図がよかったので、つい。

てな感じで試合開始。僕はレンタルした携帯電話が不調になるという現象に見舞われ、速報に支障をきたしそうになったのだが、この際、そんなことは言っていられない。ゲームだ!


[前半]
メンバーは以下の通り。リーグ浦和戦と同じ4バック。

GK:藤ヶ谷
DF:加地、シジクレイ、山口、家長
MF:明神、橋本、遠藤、二川
FW:フェルナンジーニョ、マグノ・アウベス

SUB
GK:松代
DF:宮本、青木
MF:前田、寺田、松下
FW:播戸

立ち上がり、ACLということで普段と全然違うゲームになるのではないかと心配していたのだが、特にそういうことはない。全北のあたりは厳しいが、ガンバも負けていない。中盤での潰し合いが続く。全北のシステムも4−4−2。両サイドを持ち上がり、前にいる3人の外国人選手に預けてくる。10番と9番のコンビはこなれている感じ。とはいえ、怖いのはそこだけ。後は大したことはない。6分、家長が左サイドをドリブルで突破するシーンがある。中に上げてシュート。特に高さもないことが判明。いける。

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ゲーム中。見易いね。


時折聞こえてくる全北の応援(ちなみに、向こうも"cruva nord"を名乗っている)はどうも締まらない感じ。人数が少ないうえに声が揃ってない。太鼓の数は多いみたいなのだが、それも合ってない。一方、ガンバサイドはYさんのリードでメリハリのある応援を展開。途中からまるで応援を教育しているような感じになる。特に気持ちがよかったのは、ボール奪取して攻撃を開始する瞬間にコールをかけてくれたこと。ニクイぜこの野郎って感じ(しかし、後ろ向いてるのに、何であんなことができるんだろう)。

9分、遠藤と家長が左サイドを崩す。最後は二川のシュート。次第にガンバが押し気味になってくる。マグノも、今日は下がってディフェンスをしている。いい感じになってきた。
15分、相手ゴール前で、右から左にパスが回る。最後に遠藤が走りこみ、足で決める。1−0。ゴール裏、非常に盛り上がる。ヤットのコール、そして「歌えクルヴァ」。

この後もガンバペースが続くが、少しづつ全北も押し上げてくる。外国人トリオがペースをつかんできた。28分、ガンバのペナ外付近で全北のFK。相手はクイックスタート。ガンバは完全に虚を突かれ、かろうじて反応した明神のディフェンスがPKの判定。今回の主審はホームの雰囲気に流されるタイプではなかったものの(というか、あの雰囲気のどこに流されろって言うんだ?)、ゴールが近くなると判断がブレるタイプであるように見受けられた。なあ、ヨーロッパの主審にしようよ。

PKは普通に決められて1−1。点が入った直後、相手側はメイン、バックを含めて尋常でないくらいに盛り上がる。アウェイを痛感した瞬間。ゴール裏は赤い発炎筒を焚いている。試合前に禁止のアナウンスがあったような気がするのだが、そういうことは気にしてないみたいだ。

BSを見ているせいなのかどうか、全北の応援はJリーグと似たのが多い。なかにはガンバのチャントと被っているのものあるが、こっちも積極的にかぶせていく。どっちが本家か教えてやるという感じ(いや本家は欧州だが、とか言わない)。チームも、そのレベルでプレーを披露してくれ。

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向こうもクルヴァ・ノルドを名乗っている。


が、試合は一進一退の展開が続く。31分にはフェルがいい感じで突破するのだがつながらず。逆に38分、シジクレイのミスから突破を許し、家長が相手を倒してFK。これは外れる。43分、加地が右サイドを突破。マグノがシュートを放つ。今日はちょっと少ない気がしていたのだが、これは悪くなかった。両サイド、中央から攻めれている。前半はこのまま終了。

ハーフタイム
ようやくたえぴょんさんにきちんと電話。ネットで中継映像を見れていることを知る(多分、会場のビジョンに流れてたのと同じやつだと思う)。「ガンバの声しか聞こえてへんよ!」という一言が嬉しい。みんなにしゃべりまくる。やるよー!

[後半]
ガンバのいい感じっぷりは立ち上りから変わらず。3分、相手ペナ前でボールを回す。4分、今度は家長が左サイドをドリブル突破、二川がシュートを放つ。そういえば、今日は選手のポジションが被ってしまうシーンが少ないな、とふと思う。だいぶん、動きが整理できてきたようだ。が、全北も押してくる。5分には近い位置でFKを与えるが、何とか撥ね返す。

13分、橋本がボールを拾って右の遠藤へ。楔のパスを中央のマグノが落としたボールが前に走った遠藤に戻り、さらにゴール前でもう一度受けたマグノがゴール!。ガンバらしい、美しいゴール。完全な格の違いが見えた(ような気がした)。しかもマグノ、公式戦初ゴール。ゴール裏の盛り上がりは最高潮。何人かは二階に上がって、そこからコールリード。それも格好いい(そういえば、Officialって書いたビブスの人がやけに盛り上がっていたけど、あれは何だったんだろう)。

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2階からコール


が、この直後にまずいタネが蒔かれる。15分、まず全北が選手交替。DFを外して22番のMFを入れてきた。ガンバは16分、加地→宮本、フェルナンジーニョ→前田、の交替。DFの並びは去年と同じになり、中盤の右には明神。フタのトップ下に、前田、マグノの2トップになった。さあ、ここだ。
確かに、加地はコンディションが落ちてきているように見えなくもなかったから、そこを外すのはわかる。そして、加地がいなければ4バックは無理だから、宮本を入れれば3バックへの切り替えとゲームのコントロールができて、一挙両得というのも理解できる。問題はむしろ前田だ。

もちろん復帰は嬉しかったし、前田自身は悪くなかったと思う。だが、この局面で、しかも相手が反撃に出てきそうなのが解っているときに、キープや仕掛けが期待できるフェルを外してまで、どうしても「試運転」的な要素が出てしまう前田の復帰をやるべきだったのか。そこには疑問が残ると僕は思う。相手をつい甘く見てしまったのか、それとも、去年のダービーのときのような、カウンターからの一発を期待したのか。いずれにしても、状況の判断にミスがあったことは疑問の余地がない。

そうそう、カウンターに関しては、相手の韓国代表DF、5番のキム・ヨンサンにだいぶんやられた。でかくて早い選手で、カバリングが非常によかった。結局、ガンバはペースをつかめずに防戦一方に。この状態に今季公式戦初登場の3バックが耐えられるはずもなく、22分、右を崩されて失点。散発的にカウンターを出すのだが決まらず。38分、FKを決められて2−3。発炎筒の赤が目にしみる。41分には二川に替えて播戸をいれ、しゃにむに点を取る姿勢を見せたものの、あまり効果なし。口惜しい敗戦となった。

僕たちはさっさと後片付けをしてその場を離れたのだが、勝利の凱歌をあげていいはずの全北サポと観客はガンバ側よりももっと素早く引き上げていたw。
通路の照明も素早く消されていたから、そういうのが普通なのだろう。変なの。このあと、ガンバサポの女の子が現地の人にナンパされそうになるという事件もあったのだが、とりあえず無事撤収。ACL初戦はかくして終わった。

余談
試合後、カラ元気を搾り出してコアサポさんたちの撤収作業を手伝っていたら、何だか赤いユニを着た韓国人青年に英語で話しかけられた。「テジョン・・・」って言ってるんだけども何だかよくわからない(相手も英語があまり得意でない)。でも、ピンバッジらしいのをくれたので、こりゃイカンと思って、デジカメにつけていた7番のクリーナーを外して渡した。「これは遠藤だ」というと、

「日本代表でしょ。遠藤好きだ。大黒とね」
「あいつはフランスだよ、グルノーブル」
「うん、知ってる」
みたいな会話になって、
「ユニって高いの?」
「1万4千円だよー。高すぎ!」というような話になった(とっさに、14,000という表現を思い出すのに骨を折った)。

で、彼はそのまま帰ったのだけど、調べてみると、大田(テジョン)シチズンはこんなチームだった。
韓国では珍しく企業名を入れてないチームで、攻撃的スタイル。そして地図をみると、大田は全州から50キロくらいしか離れてなくて、隣といってもあまり無理はない。
そりゃ全北嫌いだわ。 ガンバ好きだわ。

海外ではよくレプリカユニをねだられるという話があって、それを警戒してあまりきちんと喋れなかったのだが、もうちょっとやりようはあったのかな、とふと思う。しかしデジュン、なんだか面白そうだな。コンタクトしてみようか。


総括:韓国恐るるに足らず

一言でいって、完全に勝てた試合だった。それを口惜しく思うのと同時に、僕たちは韓国のことを意識しすぎているんじゃないかとも思った。別稿でも書くが、韓国は日本とあまり変わらない国だった。よく「韓国人はデカイ」とかいうんだけれども、行ってみた感じではそうでもない。強化策が・・・、勝負強さが・・・、スタミナが・・・、ともよく言われるのだけど、特にそういうことも感じなかった。
そして近い。九州に行くのとあまり変わらない感じでいける。確かに言葉はちょっと違うが、字は2,3日勉強すれば読めるし、会話は指差し会話帳で十分だ。「アジアの壁」なんてものは、少なくとも韓国に関しては全く存在しない。もちろん、環境は完全なアウェイなのだが、それは心地よい、というレベル。むしろ楽しいことのほうが多い。

だから、なあ、みんな行こうぜ。、ACL。正直、60人はちょっと寂しかったよ。


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受信 Mar 14, 2006 8:22:38 PM

コメント

あささん。韓国遠征ご苦労様でした。このレポートを見ると大連へ行きたくなってきましたねー。仕事があるから難しそうだけど、大連は2回行ったことがあるから行ければ簡単なガイドくらいは
できるんですが。

そうそう、中国メディアが「大黒とアラウージョが抜けたから実徳
有利だ」と行っていたけど、昨日のダービーの結果なら文句なし去年よりは良くなっているんだが・・・

投稿者: 民国95年 (Mar 13, 2006 12:49:54 PM)

というか、大連情報下さい!w>民国さま

今回で、事前情報の大切さ&大変さは身にしみました。メンバーとか、評判とか、そういうのをお教え頂けると非常にありがたいです。あと、作成中のACLページのほうにもコミットしていただけると更に…。

投稿者: あさ (Mar 13, 2006 1:07:29 PM)

あささん、大連情報の件了解しました。自分は行けるかどうかは
別にして、一人でも多くのサポに行って貰いたいですからね。
ACLページには実徳情報や地元メディアの反応について書きこまさせて頂きます。それと、中国へ観戦に行かれる人たちが懸念する反日感情やブーイングなどについても一通り自分の考察を書かせてもらいます。

ところで、実徳は2-0でダナンに快勝したらしいです。22日の
ダナン戦は是非とも勝ちたいですね。大量得点できればなお最高です!

投稿者: 民国95年 (Mar 13, 2006 6:56:13 PM)

すみません。ACLページは英語のページでしたね。そちらの方にも
出来るだけコミットはしますので、日本語での大連情報はこちらに
随時書いた方がいいですよね?

投稿者: 民国95年 (Mar 13, 2006 6:59:17 PM)

帰宅して大連関係の情報をググっていたら、ダナンについての説明のページを見つけました。中国語で書いてあるので、後日かいつまんで紹介しようと思います。

しかし、驚いたのはダナンに数人の黒人の選手(国籍不明)がいるという情報。結構身体能力はありそうかな?

投稿者: 民国95年 (Mar 13, 2006 11:45:31 PM)

こちらに随時お願いします>大連情報。よろしくです!

投稿者: あさ (Mar 14, 2006 12:02:51 AM)

野球の話ですが、WBC日米決戦の誤審問題について、米国の試合なのに米国人審判であることが問題になっていますね。

ならば、第3国審判なら問題ないかと言えば、これも気をつけなければならないでしょう。

というのも、ダナン-大連戦で何と韓国人の審判が笛を吹いていたことが大連の選手たちの不満に繋がっているらしいです。
同じグループに全北現代が所属するためにわざと大連に不利な笛を吹いた、明らかな得点を取り消されたと選手たちがカンカンに怒っていました。その意味でガンバのホームにおける審判の人選は恐らくグループの当該国以外の国が対象となるでしょうが、彼らの技術レベルで果たして正確にジャッジできるでしょうか?といって、中国や韓国から審判を呼ぶと、誤審があった場合疑いを掛けられるかもしれません。

余談ですが、昨年の東アジア選手権の中韓戦を私は中国滞在中にテレビで見ていましたが、明らかに違うのに中国のプレーにPKを宣告し、3人を退場させた日本の某レフェリー(名前は敢えて伏せますが、昨年誤審で有名になったあの方です)のお陰で、中国メディアは次の日本戦に出られなくした日本の陰謀だ、と書きたてていました。


その意味ではガンバがACLの緒戦でオーストラリア人の主審を
割り当てられたのはある意味幸運でしょう。しかし一方でAFCは上記のような人選をしてしまういい加減さです。審判については日本人も苛立っていますが、同時に相手国の選手やサポにも同様の苛立ちがある訳です。

投稿者: 民国95年 (Mar 14, 2006 9:53:02 PM)

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