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12/30/2007

乗り切れず:天皇杯準決勝広島戦

あまりにも言い古されたことですが、歴史家は予言者として最強です。結果が出てから理由を説明すればいいわけですから。ただ、そういう後だしジャンケンの話とは別の問題として、結果が出て初めて分かることというのもあるわけで。

そういう意味では、昨日は全般的なチーム戦略の問題が出た試合だったと思います。リーグ終盤からの流れが変えられなかったかな、という印象です。

■陣形

ガンバのメンバーはいつもどおり。昨日のフォーメーションは4-4-2で、中盤はダイアモンド型でした。とはいえ、これでもサイドが抑えきれず…。

■守備

序盤、0分にガンバはいきなり失点します。これは明らかにオフサイドの掛けそこね。右側に加地が残っていました。この試合での加地は(悪くはないのですが)いつものスーパーな選手ではなく、コンディションがよくないのかなあ、という感じでした。

サンフレッチェの攻撃は、この時間帯、明らかなライン破りでした。サイドにポイントを作ったところで、逆サイドからのダイヤゴナルな走りこみとスルーパスのタイミングを合わせてくる、という感じで、何度もチャンスをつくります。ガンバの守備陣はリトリートに切り替えてこれに対応。少し時間がかかったものの、20分間くらいでゲームを落ち着かせることに成功します。

が。

38分に再び失点。これは痛かったです。このシーンは、サンフレッチェの駒野がドリブル突破してきたのをアタックに行った安田が抜かれてクロスを上げさせてしまったもの(いいから、カバーがない状態でアタックに行くなって)。もちろん、そうなったら危ないのはCB陣も分かっていて、ゴール前と逆サイドを固めていたのですが、それでも山口がヘディングを競り切れず、ファー側から入ってきたFWに決められる、といういつものパターンになってしまいました。わかっていてやられる。うああ、という感じでした。


■攻撃

もちろん、守備は主たる問題ではありません。ポイントはむしろ攻撃面でした。
この日、ガンバのキーマンになったのは二川。バレーの得点の時もそうでしたが、彼がボールを持つとかなりチャンスになるという感じ。非常に良かったと思います。ただ、問題はその二川になかなかボールがわたらなかったことです。特にFWのポストプレーが問題でした。
ガンバの攻撃は、主にサイド経由でボールを前に運んで、そのままセンタリングか一度トップ下あたりに廻してから、FWのポストを使い、拾った選手がラストパス、というパターンを多用します。で、この試合でやばかったのは、広島の密着マークにあった播戸とバレーが全くボールをキープできなかったこと。そこで粘るか、素早くパスを出せれば、マークをずらせるのですが、手間取った分広島にプランどおりに守られてしまい、どうにもなりませんでした。

ここで、頭をよぎったのは、言いたくありませんがマグノ=アウベスのことです。いつもと言うわけではありませんが、マグノはこういう状況でリターンも出せればキープも反転もできるという選手で、広島のDFを慌てさせることができただろうと思います。そういう意味では、いるはずの彼がいなかったことは本当に痛かった(あまりにも痛かったので、試合後浜松でウナギを満喫した時に、「このツケはアル・イテハドにまわそう」という話をしてしまったくらいです)。

僕は、「むしろ、キープ&ポストなら家長ではないか」という発想を抱いて、前半の早い時期から「播戸→家長」という交替策を考えていたのですが、監督は結局最後までそれを取りませんでした。つまり、そこには厳密な分業制というか、シュートのためにはフィニッシャーが必要という認識があったのではないかと思います。
結局、監督のこのスタンスは最後まで変わりませんでした。得点した時間帯の前後にはポストを捨ててペースをつかんだのですが、広島の守備陣がアジャストするとそれも終了。後半、監督は橋本→寺田、安田→家長(4-3-3に移行)、明神→前田(遠藤がワンボランチ。事実上2-1-5-2!)と様々に攻撃的な手を打ったのですが、FWの状態が変わらないために本質的な改善にはつながりませんでした。

むしろチャンスがあるように思われたセットプレーでも(ストヤノフのポジショニングが悪かったような気がします)、最後のところで粘られてしまい、得点には至りませんでした。後半の20分過ぎくらいにあったセットプレーのチャンスは本当に惜しかった…。

■全体の話

そこで、話は再びマグノ=アウベスのことに戻ります。昨日見ていて非常に強く感じたのは、結局今季のガンバは「マグノありき」でつくっていたチームなんだな、ということです。マグノが一瞬タメをつくることで攻撃の糸口をつかみ、MFに戻した後、再びゴール前に現れたマグノがフィニッシュする。相手が出てきているときにはバレーという飛び道具があり、終盤には播戸が控えている。そういうプランでつくってきたチームだったので、彼の不在時にはどうしても騙し騙しでやっていたのかな、と思います。特にリーグ終盤から天皇杯にかけての、マグノ契約解除からの流れはそうで、最後の最後になって繕いきれなくなったということなのではないかという印象です。そこで若い選手が勢いをつけてくれると良かったのですが、家長は契約問題でバタバタし、寺田1人ではどうにも勢いが不足でした。そこを何とか乗り切って、チームプランが狂ったまま決勝までいけるほど、天皇杯は甘い大会ではなかったということでしょう(この試合で遠藤が2枚目のイエローを受けていたので、もし勝ったら若手大抜擢→ブレイク、という道もあったと思うんですが…その点は残念でした)。

そういう意味では、来期は1人の選手だけに依存しない戦い方と、計画的・段階的に加速していける年間戦略必要だなあ、と、そんなことを思った天皇杯準決勝でした。

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